CHARACTER ARCHIVE / 逸伝篇
花岳
山で関索を鍛え、病の床にも現れた道士の師
花岳は、『花関索伝』に語られる道士で、関索の師です。索員外から預かった九歳の童に、九年をかけて六韜・三略の兵法と武芸十八般を授けました。花関索の名の最初の一字「花」は、この師から取られています。物語の終わり近くでも、病に倒れた弟子のもとへ突然現れ、薬で癒します。史書に記録のない人物で、
索員外から「息子を一人、弟子に出す」約束を取り付けていた道士。九歳の索童を山に迎え、『六韜』『三略』と武芸十八般を九年にわたって授けた。弟子が十八歳で両親のことを尋ねると、索家荘へ帰るよう教えて山を下ろす。花関索の名の頭の「花」は、この師の姓。のちに重い病に倒れた花関索のもとへ突然現れ、薬で癒した。
THE WAY OF LIFE
花岳の生き方
先を見て、人を育てる。花岳は、目の前の童に九年先の武人を見る、構想の人物像です。
ふだんは山にいて姿を見せず、要るときにだけ現れる。この距離の取り方に、弟子を信じて手を離す師の姿を重ねています。
持ち味と、その裏側
長い目で人を見て、育つまで待てる力。そして、肝心な場面を外さずに現れる勘のよさ。一方で、ふだん何を考えているかを語らないので、周りからは分かりにくい人です。もう少しだけ言葉にしても、弟子は喜ぶはずです。
IN THE CHRONICLES
史実・物語の歩み(概略)
生没年不詳(物語の人物)
『花関索伝』に語られる道士。山中に庵を結び、弟子を取って兵法と武芸を教えた。「花岳」が人名か、山の名にちなむ呼び名かは、底本からは判然としない。
- 道士として山中にあり、郷紳の索員外から「息子を一人、出家させて弟子にする」約束を取り付けていた。索員外が拾って育てた童が九歳になると、弟子として迎えた(『花関索伝』前集)。
- 索童と呼ばれたその弟子に、『六韜』『三略』の兵法と、武芸十八般を授けた。十八歳になった索童が両親のことを尋ねると、索家荘へ帰るよう教えた。弟子は師と別れて山を下り、養父から実の父が関羽と知って、「花」「関」「索」から一字ずつ取った花関索の名を名乗る。名の頭の「花」は、この師の姓である(同)。
- 別集では、雲南に流されていた花関索が呼び戻されたのち、重い病に倒れる。そこへ花岳が突然現れ、薬を与えて病を癒した(『花関索伝』別集)。
- 山で術と兵法を授け、要所でだけ現れて弟子を救う。こうした道士の姿は、語り物の中で繰り返し現れる型でもある。正史『三国志』にも『三国志演義』にも、この人物に当たる記録はない。
主な出典
『花関索伝』前集・別集(明・成化年間刊の説唱詞話)。井上泰山ほか『花関索伝の研究』(汲古書院、1989年)に訳注がある
SOUL ALIGNMENT
人物像の分類:中立・善
山の決まりの中で弟子を鍛える一方、俗世の秩序の外に立つ道士でもあるため、規律は中立に置いています。
弟子を育て、病に倒れれば現れて救う。見返りを求めず人を助ける姿から、動機は他者寄り(善)の側に置いています。
このページの性格・人物像と生き方の文章は、史実や『三国志演義』の記述そのものではなく、本サイト独自の8軸と人物タイプに基づく読み物です。